あなたの気持ちを大切に

利用者さんとの関係づくりに悩むとき、「自分に何か問題があるのではないか」と自分を責めてしまうことがありませんか?そんなとき、まず覚えておいてほしいのは、あなたが悪いわけではないということ。人と人との関係は複雑で、相性や状況によって変わるものです。その繊細な感覚こそ、実は利用者さんの気持ちに寄り添える大切な資質なのです。
一人ひとり違う心の扉の開け方

オーリョクケアーステーションで活躍する訪問介護の現場で長く働いてきたベテランスタッフさんは、利用者さんによってコミュニケーションの仕方を変えているそうです。
知的障がいのある方には明確な誘導が必要な場合もありますが、一番大切なのは、まず相手の気持ちを受け止めること。「肯定から共感して進める」というアプローチは多くの場面で効果を発揮します。
心を開くための三つの扉
利用者さんとの信頼関係を築くためには、三つの扉を開けていく必要があります。一つ目は「観察の扉」。言葉だけでなく、表情や仕草、生活環境などから、その方の好みや状態を読み取ります。二つ目は「傾聴の扉」。相手の話に真摯に耳を傾け、「あなたの話を聴いていますよ」という姿勢を示します。そして三つ目は「確認の扉」。理解したことを言葉にして返し、「あなたの気持ちを大切にしていますよ」と伝えます。
拒否されたときの心の持ち方

介護を拒否されたり、厳しい言葉をかけられたりすることは、訪問介護の現場ではよくあることです。そんなとき、「自分が嫌われているのではないか」と落ち込んでしまいがちですが、実はその背景には様々な理由があります。
体調が優れない日かもしれませんし、単にその日の気分によるものかもしれません。大切なのは、一度受け止めてから、「今日はどうされましたか?」と優しく問いかけること。そうすることで、相手も自分の気持ちを話してくれるようになるかもしれません。
あなただけのアプローチを見つける

「一度受け止めたら、こちらの話も聞いてもらえる」というのは、人間関係の基本です。まず相手の気持ちや状況を受け入れ、共感の姿勢を示すことで、相手も心を開いてくれるようになります。
そして、それぞれの利用者さんに合わせた特別なアプローチを見つけていくことが大切です。ある方には明るく元気に接することが効果的かもしれませんし、別の方には静かに寄り添うことが心地よいかもしれません。
繊細さは強み、悩みは成長の種

利用者さんとの関係に悩むということは、それだけ相手のことを真剣に考えている証拠です。その繊細さこそが、深い信頼関係を築くための大切な資質なのです。悩みながらも一歩一歩進んでいくことで、あなただけのアプローチが見つかるでしょう。そして、そのプロセスこそが、あなた自身の成長につながっていきます。
訪問介護の現場で働く皆さんは、日々様々な挑戦に直面しています。でも、その一つひとつの経験が、あなたを成長させ、より深い信頼関係を築く力となっていくのです。あなたの繊細な心と真摯な姿勢は、必ず利用者さんに届きます。自信を持って、あなたらしいアプローチを見つけていってください。

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